糖尿病専門研修カリキュラム

専門研修プログラムの概要と特徴

専門研修基幹施設である下北沢病院と、専門研修連携施設(東京都済生会中央病院など)において、専修医が整備指針に定められた糖尿病内科研修カリキュラムの到達目標を達成できる教育を提供し、十分な知識・技術と態度を備えた糖尿病専門医を育成する。

新専門医制度に基づく内科全般の研修が終了後にサブスペシャルティ研修を開始し、新専門医制度では決められた履修項目をすべて網羅終了している必要があるため、最短で卒後5年目よりサブスペシャルティ研修開始が可能である。
下北沢病院は、区西南部の一般病院として地域医療の中核としての役割を担い、また糖尿病と足病変に特化した国内唯一の専門病院である。標榜診療科としては、糖尿病内科、形成外科、整形外科、血管外科であり、糖尿病センターと足病総合センターの2つを柱としている。

入院患者では、糖尿病足病変、重症下肢虚血、糖尿病腎症など合併症を有する患者が多く入院し、手術件数は月60件程度であり、全身麻酔を要する糖尿病患者の周術期血糖コントロールなどが経験できる。外来では糖尿病センターを中心として、1型糖尿病患者約60 名や2型糖尿病患者約400名を管理している。

糖尿病・代謝・内分泌疾患に関して日本糖尿病学会の専門医資格を取得できる、一般病院としては数少ない認定教育施設の一つである。下北沢病院の糖尿病専門医は専門研修連携施設でのカンファレンスなどにも参加し、連携や日々の研鑽に努めており、研修プログラムにより糖尿病専門医に必要な知識や技能の習得が可能である。

研修施設の指導体制と管理症例数

1 専門研修基幹施設

研修基幹施設:下北沢病院
研修プログラム総括責任者:富田益臣
専門研修指導医:富田益臣    
専門医:沖杉真理
糖尿病認定看護師:1名
日本糖尿病療養士数: 5名 (看護師3名,栄養士1名,臨床検査技師1名)
東京糖尿病療養指導士数:7名(看護師2名,栄養士1名,薬剤師2名,理学療法士2名)

糖尿病総外来患者数:約600名
  1型糖尿病患者:約60名
  インスリンポンプ患者:7名
  2型糖尿病患者(注射製剤使用):約90名
  生活習慣病患者:約200名

栄養相談・指導
  個人栄養指導件数:1,096件(2017/7~2018/8)
  持続血糖測定件数:105件(2017/7~2018/8)
外来フットケア
  糖尿病合併症管理料:1,136件(2017/7~2018/8)

2 募集定員:若干名

応募資格:新医師臨床研修制度における初期研修を修了、もしくは修了見込みのもの
募集プログラム:糖尿病内科専修医コース
研修期間:平成32年4月1日より2~5年間
問い合わせ先
下北沢病院糖尿病センター センター長 富田益臣
東京都世田谷区北沢2-8-16
電話:03-3460-0300     FAX:03-3465-0565

医療法人青泉会 下北沢病院・糖尿病研修計画書

目標

本カリキュラムは、日本内科学会認定内科医の研修期間中に習得した内科の基本知識・技術を再確認しながら、日本糖尿病学会の求める専門研修カリキュラムに準じた研修を3年間履修することにより、日本糖尿病学会専門医資格を取得することを目的とする。
ただし平成30年度から新専門医制度に則った臨床研修システムが開始されるため、新専門医制度に基づく内科全般の研修が終了したのちに、サブスペシャルティ研修である本プログラムへの参加が可能となる。
また下北沢病院単独ではサブスペシャルティ研修カリキュラムを完結できないため、東京都済生会中央病院(認定教育施設Ⅰ)など複数の研修施設のローテートを行う。

特徴

1.糖尿病足病患者など合併症を有する症例を経験し、合併症を有する患者の血糖コントロール、患者教育、食事療法などを学ぶことができる。
2.糖尿病診療だけでなく、足病診療を学ぶことができる。
3.認定教育施設Ⅰと連携し1次から3次救急などの救急症例を経験できる。
4.認定教育施設Ⅰで教育入院などの患者教育にも携わることができる。
5.専門研修での指導体制を確立しており、学会などへも積極的に参加できる。

専門研修プログラムの運営方針

●研修の最初の1年間は、専門研修基幹施設で研修を行う。
●当院で経験できない可能性が高い症例である脳血管疾患、心血管疾患急性期の糖尿病管理、ICU管理について、東京都済生会中央病院などの認定教育施設Ⅰで12ヶ月(眼科、脳血管疾患、循環器疾患)程度の研修を行う。
●糖尿病妊婦の糖尿病管理については、糖尿病妊婦の外来管理は下北沢病院糖尿病センターで行う。産科が併設されていないため、認定教育施設Ⅰでの産科の研修を行う。

研修実施計画

年間ローテーション表(一例)

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3
専修医1年目 下北沢病院糖尿病センター
専修医2年目 認定教育施設Ⅰ
神経内科 循環器
内科
救急科 糖尿病内科 選択
専修医3年目 下北沢病院糖尿病センター
専修医1年目:下北沢病院糖尿病センター 12ヶ月
専修医2年目:認定教育施設Ⅰ 12ヶ月(神経内科2ヶ月、循環器内科2ヶ月、糖尿病内科4ヶ月、眼科や産婦人科などの選択2ヶ月、救急科2ヶ月)、 専修医3年目:下北沢病院 糖尿病センター10ヶ月、選択(外部研修など)2ヶ月

週間予定表
下北沢病院の例  外来:2コマ

午前 病棟 足病外来
(初診)
全体カンファ
糖尿病外来
足病外来
病棟 専門外来 専門外来 休み
午後 足の傷外来 専門外来 休み 休み 病棟
手術
休み 休み
夕方 リハビリ
カンファ
カンファレンス

一般目標

糖尿病と心・脳血管障害を含む糖尿病合併症の診断・治療ができる。
糖尿病足病変だけでなく、足のプライマリー疾患の診断、保存的治療を行う事ができる。
患者指導・教育の重要性を理解し、チーム医療の中で実践できる。

到達目標 各年次における具体的行動目標

1年目
主に糖尿病の血糖コントロール目的、あるいは内科的な諸問題(妊娠糖尿病を含む)にて 入院となった糖尿病症例の診療に当たる。日本糖尿病学会専門医としての基礎を固めることに主眼をおく。 また糖尿病、足病疾患の初診外来を担当する。
2年目
認定教育施設Ⅰで研修を行う。特に他科にて糖代謝疾患以外の問題で入院中の患者(併診患者)に主としてかかわり、外科系の手術前後の管理、高カロリー輸液時の血糖などの管理、ステロイド糖尿病や妊娠糖尿病 もしくは糖尿病合併妊娠の管理など特殊な病態における糖尿病管理を中心に研修する。
3年目
糖尿病・足病疾患の外来診療、ならびに他科からの診療依頼に対する対応を中心に学ぶ。長期にわたる患者管理とコンサルテーションの資質を身につけることに重点をおく。

研修方略

主要症候からの糖代謝異常・内分泌疾患の病態の鑑別と適応を学ぶ
口渇、肥満、るいそう、高血糖、低血糖などの徴候からの鑑別すべき病態を 挙げ、各々の診断に必要な検査ならびに治療法を選択できるようにする。
糖代謝疾患検査の適応、手技 糖尿病の診断に必要な検査を自ら行い、修得する。
糖尿病合併症とその程度に関する評価を自ら行い、修得する。
診 断
●糖尿病の診断基準と病型分類を理解し、臨床の場で実践する。
・糖代謝異常の重症度の診断ができる。
・3大合併症・心・脳血管障害に関する知識を修得し、その診断が正しくできる。
治療
・糖代謝異常の重症度に応じた対応、治療ができる。
・個別の治療目標の設定ができる。
・食事、運動療法に関する正しい知識を修得し、それぞれの方法を実践し、さらに、そ の効果を評価できる。
・インスリンを含む糖尿病の薬物療法に関する知識を修得し、実践し、さらにその効果 を評価できる。
・インスリンの使用に際しては、1 型糖尿病、2 型糖尿病、特殊な病態に糖代謝異常の重症度に応じた対応、治療ができる。 個別の治療目標の設定ができる。
・食事、運動療法に関する正しい知識を修得し、それぞれの方法を実践し、さらに、その効果を評価できる。
・インスリンを含む糖尿病の薬物療法に関する知識を修得し、実践し、さらにその効果 を評価できる。インスリンの使用に際しては、1 型糖尿病、2 型糖尿病、特殊な病態に おける糖代謝異常の違いを理解して、実践、評価ができる。
・新しい糖尿病薬(インクレチン製剤、DPP-IV 阻害薬、SGLT2 阻害薬)を使い分け、ま た、他剤と併用して個々の症例にふさわしい処方を提供できる。
・合併症治療に関する知識を修得し、その管理、治療を実践し、さらにその効果を評価 できる。心・脳血管障害などを合併する際、循環器内科・神経内科医師と協力して加療にあたることができる。